介護業界で活躍するさまざまな職種にスポットを当てるブログ

支えをキャッチする看取り支援

看取り支援のコーディネーターの仕事を担うケアマネジャーは、本人にとって何が支えとなるのかを考える必要があります。どんなに医学が発達しても、全ての苦しみを解決することは難しいです。しかし、人が苦しみを通して、自らの支えに気づくとき、穏やかさを取り戻す可能性が見えてきます。たとえば、過去の出来事から生まれた将来の夢に向かって今を生きようとする力です。困難を抱えていたとしても、将来の夢を持つことで人は強くなれます。死を超えた将来の夢も支えとなるのです。もし亡くなったとしても、まだ行ったことのない天国から大切な家族を見守ることができると思えたなら、死という苦しみを前にしながらそれは大きな力となります。

また、人は1人ではとても弱い存在かもしれません。しかし、その人のことを心から認めてくれる、人やペット、自然や神、仏などの相手との関係が与えられると一転して強くなれるものです。支えとなる関係は手で触れたり、目で見えるものだけではありません。亡くなった後、目に見えない存在になっても心と心の絆がしっかりつながっていれば、それは支えとして成立します。大切な人を亡くした家族へのケアの可能性としてもこの支えとなる関係は重要です。医療が専門職ではない中、看取り支援の援助をどう行っていくかを考える上で、短い時間でこのような個別性のある支えをしっかりと捉えて援助していくことが、ケアマネジャーに求められる役割です。